奥井禮喜:歴史的逆行の改憲論に反対する

奥井禮喜:歴史的逆行の改憲論に反対する。 戦後、警察予備隊設置で再軍備が開始した。仮に新憲法が米国の押し付けだとしたら、その後さらに米国との軍事協力を押し付けられてきているのであって、益々押し付けの深みにはまろうというのが自民党憲法草案である…

タグ: 憲法 第9条 国家主義 改憲

発信時間: 2013-05-03 09:48:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

大日本帝国憲法発布(1889.2.11)に際しての勅語に「----現在及び将来の臣民に対してこの不磨の大典を宣布す」とあったが、不磨・不朽の憲法が存在しないのは当然だから、ずいぶん傲慢な表現をしたものである。

憲法は高度の安定性を持たねばならない。併せて、社会・政治・経済の変化に釣り合わないものではならないから、必要な可変性もまた持たなければならない。不磨の大典が存在しない客観的理由である。

安定性と可変性の二つは矛盾している。そこで憲法改正手続きを定めつつ、その改正要件を厳格化する、いわゆる「硬性憲法」(rigid constitution)というのが日本国憲法の決まりである。

仮に国民の圧倒的多数が改憲を希望したとしても、どこかで論議して改正案を用意しなければならないから、各議員総数の2/3以上が賛成して、国会が改正案を発議し、国民の過半数の賛成を必要とすることにしている。

改憲論を唱える政治家が多いそうだが、政治家倫理として、「自分たちは日本国憲法の掟によって存在する」のであることを、まず真剣真摯に頭に叩き込んでおいてもらいたい。国民の憲法であって、政治家の憲法ではない。

ゴリゴリ改憲論者は、日本国憲法施行(1947.5.3)の数年後には憲法改正の声を上げた。いわく、占領下憲法である。わが国の歴史・伝統・国民性にそぐわない。独立国として(軍を持たないのは)おかしい、などである。

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