安倍晋三首相が飯島勲内閣参与を密かに平壌に派遣した件が、大きな問題になりつつある。訪日中の、6カ国協議の米国側首席代表であるデービース氏は、安倍首相に直にその理由をたずねると表明した。韓国も16日に日本を批判し、「未通知のまま単独で役に立たない提携を進めることは、対朝鮮の統一戦線を損ねるだろう」と伝えた。
韓国メディアは「軽率」な日本への批判を強めている。ソウル経済新聞は16日の社説で、「飯島氏がどのような身分、どのような目的で平壌を訪問したとしても、そのタイミングと方法は非常に不適当だ」と指摘した。国際社会が朝鮮の非核化に向け共に努力する中、日本の高官による突然の訪朝は、誤った信号を発する可能性があるからだ。日本は飯島氏を派遣する前に、六カ国協議の関連国に通知を行わなかった。これは歴史を歪曲している日本による、隣国を眼中に入れようとしない態度の現れだ。
朝鮮日報は、「米韓さらには中国が朝鮮を制裁する中、安倍首相はこの国際連携に背いた。日本のこの措置は、急速に失われた朝鮮への影響力を取り戻すために切り出したカードであり、安倍首相が7月の参議院選挙に向けて進めた危険なコマだ」と批判した。これは朝鮮が、飯島氏の平壌到着の写真を直ちに公開したことからも分かる。朝鮮は16日、開城工業団地の入居企業にファックスを送り、挑発をやめるよう韓国に呼びかけた。
米フォーブス誌のウェブサイトは、「安倍首相の外交戦略は、米国・ロシア・東南アジアにおける個人的な外交により、中国を封じ込めようとするものだ」とした。安倍首相のすべての行為は、7月以降に開始される釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題の協議に向けて、外交の強力なコマを手にしようとするものだ。しかしその狙いとは裏腹に、これらの行為は日本を孤立化に向かわせている。中国や韓国の他に、米国もこのほど日本との間に距離を置いている。朝鮮の孤立無援の境遇を利用し、外交利益を得ようとする日本の手法は幼稚だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年5月17日