これは橋下徹氏が望んでいた事態の推移では断じてないはずだ。AFP通信によるとアジア安全保障会議に出席中の日本の小野寺五典防衛相は1日、「安倍晋三首相はこのような発言を認めていない」と述べ、橋下徹大阪市長の「慰安婦」関連発言を正式に否定した。人民日報海外版が伝えた。
「慰安婦」に関する発言は日本と周辺国の関係においてずっと敏感な問題だ。だが橋下氏は先日「慰安婦」制度について、当時軍の規律を維持するために必要だったと声を大にしたうえ、日本の政府または軍が「慰安婦」の連行、脅迫を直接行なったことを示す証拠はないと述べた。活発な政治屋である彼は、この大仰な発言がもたらしうる結末を本当に考えなかったのだろうか?
橋下氏の発言には、ただちに各国・各界から厳しい非難が加えられた。韓国、中国などかつてさんざん蹂躙された周辺国は言うまでもなく、国連拷問禁止委員会も深い懸念を表明したうえ「日本は第2次大戦中に強制連行され、虐待された『慰安婦』に謝罪と賠償をしておらず、拷問等禁止条約の『慰安婦』に関わる条項を履行していない」と指摘した。
国内では橋下氏はなおさらに「四面楚歌」だ。自民党、民主党系、共産党が市議会に提出した問責決議案によって彼は危うく市長職を失い、名実共に「捨石」となるところだった。
敏感な問題に触れればリスクを伴うのは必至だ。橋下氏は当然この点を理解している。だがハイリスクは通常、ハイリターンも意味する。彼は日本政界の右傾化という「追い風」に乗って、右翼の急先鋒たる本来の姿を発揮し、機に乗じて人気を高めようとしたのかもしれない。ただ、あらゆる計略をめぐらしても、凄まじい勢いの正義の力にはかなわなかった。