6月も半ばを過ぎ、間もなく7月になる。日本の参議院総選挙は目前に迫り、票を勝ち取るために政治屋たちは各々策を講じている。安倍晋三首相は先日、憲法第96条の改正について報道陣に「世論の支持は得られずとも、あきらめる考えは全くない」と述べた。安倍氏の「憲法改正のための憲法改正」、憲法第96条改正の最終的目標が、「戦争放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を含む第9条の改正にあること国内外の世論はすでに見抜いている。(文:呂耀東・中国社会科学院日本研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
第9条の平和主義精神から日本国憲法は「平和憲法」とも称される。安倍氏の憲法改正への断固たる意志と世論調査での反対の主たる争点は、日本が「平和主義」という歴史的「約束」を放棄するのかどうかにある。平和主義を定めた憲法第9条の重要性について、自民党の古賀誠元幹事長は「『平和憲法』の根幹であり、『世界遺産』だ」と強調した。日本国憲法の平和主義理念の歴史的源を強調し、「平和憲法」の根本を守ることを強調する考えだ。「平和憲法」は第2次大戦での日本の無条件降伏の産物であり、アジアおよび世界の反ファシズム同盟の勝利の結果であり、その影響は日本一国内を遙かに超えるものだと言える。
日本の「平和憲法」は日本軍国主義を根絶する狙いの下、米国主導で制定されたものだ。この歴史を無視し、平和主義の重要な意義を無視し、憲法改正はいわゆる日本の権限内のことであり、「憲法改正と周辺国は無関係」とする安倍氏の論調は、自他共に欺くペテンに過ぎない。