日本政府は9日午前の閣議で、2013年版「日本の防衛」(防衛白書)を了承し、正式に発表した。およそ400ページに及ぶ防衛白書は、昨年の路線を引き継ぎ、大量のページを裂いて、「中国の台頭と脅威」を強調する内容となった。今年の防衛白書で注目したい重要な点は二つある。中国台湾の日刊紙『中国時報』が15日付で伝えた。
一点目は、2002年から縮小傾向にあった防衛予算(軍事費)が今年度初めて増加したことである。二点目は、冷戦終結後の22年間、日本の航空自衛隊の外国機に対する戦闘機の緊急発進(スクランブル)回数が初めて500回を突破したことである。うち対中国機が6割を占め、国別で初めてロシアを上回った。この二点から、日本が中国を「敵国」として見なしていることは明らかである。
「中国の軍事的脅威論」を強調し続けることは、日本をアメリカから自立的できなくしている要因であることは間違いない。新鋭の社会思想史家・白井聡氏が自身の著書『永続敗戦論』で指摘しているように、日本では「敗戦を否認しているがゆえに、際限のない対米従属を続けなければならず、深い対米従属を続けている限り、敗戦を否認し続けることができる」という「永続敗戦」の状況が続いている。安倍政権が絶えず「強い日本を取り戻す」と主張しながらも、「日米同盟」の何ものにも代えがたい重要性を強調しなければならない根本的な原因もそこにある。
米軍の軍事力の強さを否定する人も、日本の安全保障における米軍の重要性を知らない人もいない。ただ、際限なくアメリカに依存することで、日本の国家主権の独立と排他的な支配権が成り立っているのかには疑問を覚える。そのため、「日本は国であるが、(排他的な統治権を有するという意義において)国家ではない」と言わざるを得ない。戦後、日本は中国に負けたことを否定し続ける一方で、アメリカの実質的な占領を忘れてしまっている。日本のジャーナリストでノンフィクション作家の立花隆氏の言葉を借りるなら、「今の日本の大学生は日本とアメリカが戦争をしていたことさえ知らず、ましてやどっちが勝って、どっちが負けたのかなど知る由もない」。これこそ、歴史社会学的に分析した日本が「戦後レジーム(戦後に出来上がった政府の体制や制度)」から脱却できず、敗戦がなかったように振舞い、いつまでも「永続敗戦」の状況にあり続ける要因である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年7月17日