もちろん、このような差が出る背景にはそれなりの理由がある。ネットにアクセスしている時間、更新頻度から見ると、橋下氏が最も積極的で、2008年にブログを書き始めて以来、一日当たりの更新回数は最多で百回を超えた。安倍氏は首相就任後、官邸と個人のフェイスブックを通じて、一日当たり平均1.8件のコメントを発信している。海江田氏は最も出遅れており、今年6月3日にブログを開設したばかりだ。三人の中の「勝ち組」と「負け組」は、非常にはっきりしている。
しかし、よりいっそう深く考えるべきは、更新の「量」の差だけではなく、「質」の差が三人のネット発信力の「差」を引き起こしている理由かどうかということだ。海江田氏のブログの目玉は「今週の四字熟語」というコラムで、「浩然之気」と自らの揮毫を貼りつけている。この優雅な気質によって、海江田氏は日本のメディアで「毛筆派」と呼ばれる。これに比べて、「ネット派」の橋下氏と安倍氏のブログは単刀直入で強気一点張りだ。橋下氏のブログにはいつも「ばか週刊誌」「白痴記者」といった攻撃的な書き込みが氾濫している。この面では安倍氏も負けてはおらず、自分を批判したテレビキャスター、新聞.雑誌記者、ひいてはかつて同僚だった元外交官に対して、一貫して名指しで風刺し、批判している。もし相手が謝罪すると、ブログで「ネット時代の勝利」と高らかに宣言した。
実際のところ、確かにネット選挙活動が安倍氏に今日の「勝利」をもたらした。報道によると、昨年8月10日、安倍氏は韓国の李明博(イ.ミョンバク)大統領(当時)が竹島(韓国名独島)に上陸したことについて、批判するコメントをフェイスブックに投稿し、半日で2万以上の「いいね」がついた。これほどの支持率を得て、当時、将来の見通しが立たず、低迷していた安倍氏は、この時すぐに自分の立ち直る方向を見いだした。そのため、「毛筆派」と「ネット派」はスタイルにおいて間違いなく「質」の差があると言えよう。