(自動車評論家 呉迎秋)
新型ヤリス(日本名・ヴィッツ)が発売された。ヤリスはこれまで中国で成功していなかったため、私の期待値はそれほど高くない。統計データによると、ヤリスは2008年6月に中国で発売されてから、年間販売台数は常に2万台前後で推移しており、旧型の生産停止前の7月には1500台余りしか売れなかった。
ヤリスは今回「YARiS致炫」と名を改め、これまでとは完全に異なる姿で登場した。広汽トヨタの李暉・執行副総経理も、「新型ヤリスの好調な販売に自信を深めており、これにより当社のコンパクトカー戦略をけん引することになる」と表明した。広汽トヨタは準備を万端に整えているようだが、その自信はどこから来るのだろうか。
実を言えば、旧型のヤリスが売れなかったことは、製品そのものにとって一つのきまりの悪い出来事だ。ヤリスはトヨタが世界で数百万台販売しているコンパクトカーで、製品は成熟しており、性能のバランスがとれている。当時中国市場で販売されていた多くのコンパクトカーと比べても見劣りせず、広汽トヨタが宣伝していた通り、「コンパクトカーの優秀作品」であった。また専門家は早くから、「日本や欧州ではコンパクトカーが50%以上の市場シェアを占めており、コンパクトカーは中国市場で巨大な発展のスペースを持ち、市場の需要に引き続き期待できる」と予想していた。しかし5年が経つが、ヤリスの販売は不調に終わった。