日本防衛省は硫黄島に通信傍受施設を新設し、中国の軍用機と艦船の連絡を妨害する方針を固めた。中国共産党中央党校国際戦略研究所の高祖貴教授は中国中央テレビ(CCTV)の番組「環球視線」のインタビューに応じた際に、「これは中国に向けられたものであるが、他にも硫黄島は将来的に、日米の西太平洋の主導権に対する争奪戦を引き起こす可能性がある」と指摘した。
第二次世界大戦中、日米間には硫黄島の戦いが発生した。硫黄島は第二列島線、東京とサイパンの間に位置する、猫の額ほどの狭い土地だが、戦略的要衝でもある。
米国が第二次世界大戦中に東京を空襲した爆撃機はサイパンから離陸した。硫黄島の日本軍は当時、米軍のサイパンにおける行動を事前に察知し、米軍の航空機を妨害し、東京に対する空襲の一部を阻止した。日米は硫黄島を巡り、激しい争奪戦を展開した。硫黄島を守っていた日本兵は2万3000人余りいたが、最終的な生存者は1083人のみだった。
サイパンは長期的に放置されていたが、米国はサイパンでの基地の新設を開始した。中国人民解放軍国防大学の李莉教授は、「硫黄島とサイパンは距離が近く、中継地になることができる。日本は硫黄島に通信傍受施設を設置することで、米国の耳目になり中国をけん制できる」と分析した。
高教授はまた、「硫黄島での通信傍受施設の設置は、日本の中国に向けた措置だ。また日米はかつて、硫黄島を巡り激しい戦闘に及んだ。日本側のこの動きは、中国の軍事力強化を促すと同時に、米国人の記憶を呼び覚ます可能性もある」と指摘した。
高教授はさらに、「日米が硫黄島を巡り軍事協力を強化した場合、米国の東・西太平洋の前線への軍事力配置を推進する。日本の軍事力が将来的に十分に強くなれば、日米の西太平洋の主導権を巡る争いも、硫黄島という戦略的要衝を巡り展開されるだろう」と予想した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月23日