マイケル・ルイス氏は、「日本の不動産価格の高騰に伴い、不動産会社はヤクザへの依存度を高めていき、地上げ屋と呼ばれる新たな職業が誕生した。これは日本の不動産会社の信頼を損ねた。一流校を卒業した大学生の多くが不動産会社を避けるようになり、日本の不動産会社は海外で投資を実施し、海外帰国者を採用した。採用されたこれらの人材は、実際には海外で毎日やることがなかった。日本の不動産会社の海外投資は国内競争を見据えたものであり、人材招聘とイメージ樹立を目的としていた」と分析している。
赤字は怖くない、誰もが赤字を計上しているからだ。しかし他社に遅れれば体裁が悪い。三井がエクソンビルを購入すると、競合他者の住友と三井は見劣りすることを余儀なくされた。住友はすぐに、666フィフスアヴェニュービルを買収した。三菱はロックフェラーセンターの買収を考えつき、三井を圧倒した。三菱と三井はロックフェラーセンターを買収するため、命がけの戦いを展開した。三菱はテキサス州の会社に依頼し、ロックフェラーセンターの価値を見積もらせた。三井がゴールドマン・サックスを招くと、三菱は数日後にファースト・ボストン証券を招いた。三井がホワイト&ケース法律事務所に法律コンサルタンティングを依頼すると、三菱はDewey Ballantineに業務を依頼した。三井がアーサー・ヤングに会計コンサルティングを依頼すると、三菱はアーンスト・アンド・ウイニー(当時の世界四大会計事務所の一つ)に業務を依頼した。しかし皮肉にも、アーンスト・アンド・ウイニーは間もなくアーサー・ヤングに合併された(現在のアーンスト・アンド・ヤング)。三井は5台のプリンターを用意し、三菱は10台のプリンターを用意した。世界市場において、三菱と三井は裏側の駆け引きを続けている。
強い決意を示すため、三菱は8億4600万ドルの値をつけ、ロックフェラーセンターの51%の株式を取得した。三井がつけていた価格は4億ドルのみだった。これはビジネスの歴史における、差額が最大のオファーだった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年10月8日