横浜国立大学名誉教授、「日中領土問題の起源」の著者である村田忠禧氏は環球時報のインタビューに応じた際に、「日中関係が最悪の段階に陥っていると言われているが、このような論説は正確ではなく、日中間の分岐点を過度に強調しているきらいがある」と指摘した。
神奈川県日中友好協会副会長を務める村田氏は、中国の現代史および日中関係の研究に従事しており、「尖閣列島・釣魚島問題をどう見るか」などの著作を出版している。しかし村田氏は日中の領土問題に関する最新の研究成果は日本社会から注目されておらず、むしろその中には日本政府の立場と異なる観点が含まれるため、日本メディアの「黙殺」にあっている。
環球時報のインタビューに応じた際に、村田氏は現在の両国関係に存在する敏感な話題を回避せず、「日本は、日中の島を巡る係争が周知の事実であることを知っているはずだ。双方は事実を重視し、相手の声に耳を傾ける姿勢で、平和的な解決を図るべきだ」と主張した。
――中日両国メディアは、釣魚島問題により軍事衝突が発生する可能性に注目したがるが、日本政府と国民は開戦を懸念しているか?釣魚島問題はいかに解決すべきか?
村田氏:これほど小さな島の問題で軍事衝突、もしくは戦争を引き起こすことは、最も愚かな行為である。このような報道が商業主義的な行為であるか否か、両国メディアは反省するべきだ。私は釣魚島問題の解決法は存在すると考えている。例えば中国が国際海洋法裁判所に提訴するなどだ。日本は国連海洋法条約締約国であり、中国が提訴すれば日本はこれに応じなければならない。また両国の指導者の対話により、「共同管理・共同開発」の決議に至ることができる。同問題を解決しようとするならば、日中双方はある程度妥協しなければならない。共同発展、ウィンウィンの観点に基づき解決するのだ。