東中国海の境界線に関する中日の不一致は、主に大陸棚境界の主張に集中している(図の通り)。1982年に採択された「海洋法に関する国際連合条約」によると、領土から200カイリ内の海域は、すべての国の排他的経済水域となる。中国は同条約に基づき、大陸棚の自然な延長の原則に基づく線引きを主張している。つまり沖縄トラフを、両国の排他的経済水域の境界線とすることだ。一方で日本は「中間線」を主張しているが、中国はこれを受け入れていない。中間線、もしくは等距離線は、1958年に作成された「大陸棚に関する条約」の「第6条 1.」で境界確定の原則とされているだけで、「海洋法に関する国際連合条約」の第74条と第83条で中間線は取り上げられていない。また中間線の原則も、「コモン・ロー」としての地位を得ていない。
中日の東中国海ガス田問題は、中国が「中間線にほど近い中国側の海域」で春暁ガス田を開発していることに対して、日本が2004年5月より極端な反応を示し始めたことによるものだ。東中国海でガス田開発の調査・試験を実施した際の資料の共有、および開発活動の停止という無理な要求が中国に拒否されると、日本は事態をエスカレートさせる対抗手段を講じた。日本メディアも当時これを喧伝し、中国が日本の主張する中間線付近でガス田を開発しているとした。東中国海は突如、中日が対立する「緊張の海」となった。
海の権利と経済利益のほかに、日本が「中間線」の主張を続けることには、軍事戦略面の理由がある。中国の海軍関係者は、「日本には中国軍の潜水艦を封鎖する軍事的需要がある。東中国海の海底の大陸棚は水深が浅く平坦で、沖縄トラフから西の部分は水深がわずか200−300メートルのみで、その中間線から西の部分はわずか100メートルほどだ。これは潜水艦の活動にとって、非常に不利な環境だ。航行中に船舶もしくは海底に衝突する恐れがあることから、潜水艦は同海域で海溝に沿って活動するしかない。ゆえに日本の駆逐艦は、潜水艦の航行情報を容易に把握でき、第一列島線の封鎖に早期警戒を提供できる。中国海軍の東中国海艦隊の実力強化に伴い、水上艦艇と航空兵部隊は潜水艦の航行に対する支援・援護を強化できるようになった。中国海軍の潜水艦はこれにより、脅威を受けずに水深3000メートルを超える沖縄トラフに入り、敵の追跡を回避できる。これは日本側が懸念していることだ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年11月27日