日本訪問を終えたバイデン米副大統領の中国訪問が同様に注目を集めている。米週刊誌タイムによると、バイデン氏は4日に北京で中国の習近平主席と会談することになっている。米国は防空識別圏問題が訪問に影を落とすことを望んでいないが、バイデン氏は中国側に米国の不満を示すに違いない。また、中国側は防空識別圏の設定を許可した理由を説明する必要がある。中国側にしてみれば、「日本や韓国などのアジア諸国は早くに防空識別圏を設定したというのに、中国はなぜいけないのか」と思うだろう。記事によると、習近平主席が副主席だったころ、2人は良好な関係を築いた。防空識別圏によって「冷え込む」ことを考慮し、冬の訪れとともに超大国の副大統領と台頭大国の主席は熱意を示す必要がある。
オーストリア紙は、バイデン氏にとってこれは微妙な使命だと論じた。最大の米国債保有国である中国との衝突を懸念し、米国人は少なくとも表面上は危機のエスカレートを防がなければならない。米国は中立的だと主張するが、長年にわたって太平洋における勢力範囲を守ろうとしている。太平洋の人が住まない小さい島をめぐる争いはただの口実であり、根本は誰が地域問題で優位に立っているかである。
韓国の「朝鮮日報」は3日、北東アジア情勢は各国の「強硬での強硬への対抗」により緊迫状態に陥っているため、バイデン氏の今回の北東アジア訪問は緊迫状態を緩和するか、または激化させるかの分岐点になると伝えた。最も注目されているのはバイデン氏と中国の習近平主席の会談である。2人は親交が深く、期待できると見る人も多いが、東中国海防空識別圏問題は北東アジアの覇権を争奪する中米間の必然的な矛盾であり、「親交がある」だけで地域の緊迫状態を緩和することは困難だとの見方が多い。
中国現代国際関係研究院米国研究所の袁鵬所長は次のように話す。実際、バイデン氏の今回の訪中は東中国海防空識別圏だけでなく、他にも多くの話し合うべき議題がある。中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)の精神の理解、新型の大国関係の構築、朝鮮の核問題、イランの核問題などである。米国は防空識別圏問題を議題の中心にしたくないと考えている。バイデン氏は三中全会の後に訪中した米国最高クラスの指導者でもあり、中米とも東中国海問題が今回の訪問に影響することを望んでいない。米国は防空識別圏問題を曖昧に片付けたりしない。まさに今回のバイデン氏の訪中で、双方は深く交流し、戦略ミスを避けることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年12月4日