安倍首相は対外戦略において、初就任時の「アジアゲートウェイ戦略」を再開し、米国の影響力の実質的な低下を受け、アジア経済・安全攻略を全面的に展開し、「米国を除くアジアの秩序」の形成を主導しようとしている。その一方で、米国のアジア太平洋リバランス戦略を利用し、日米同盟と日本の安全の実力を強化し、一方的に「アジアのパワーバランス」を変え、地域の対立を激化させている。その重点は、アジア近海で「日本版空海一体作戦」を展開し、公海に向け大陸棚を拡張し、隣国に領海・領土の主権を求め、地域に存在する対立を激化させることだ。
アジア近海は地理的に見て、多くが封鎖もしくは半ば封鎖された海域で、国と国が向き合い、島嶼がつながっている。これはアジアに相互依存の条件をもたらしているが、その一方で大国の強権により、地域内の主権を巡る係争のリスクが形成されている。特に第二次世界大戦後、日本はアジア太平洋の同盟体制を利用し、アジア近海を相互対立する安全構造に分解した。本来ならば相互依存の関係を示していた列島線が、対立の障壁に変化していき、アジアは「アジア人によるアジア」を形成できなくなった。
日本版の「政治秘密主義」はグローバル化の時代にもとるもので、新興国の発展の活力を抑制できず、自国に再起の機会をもたらすこともできない。日本は歴史を正視し、誠意をもって協力してこそ、アジア諸国と相互依存し、共に発展するチャンスを得ることができる。
(筆者:劉軍紅 中国現代国際関係研究院日本研究所研究員、人民日報海外版コメンテーター)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年12月9日