それほど重要ではない、観光産業を例としてみよう。日本の観光市場が完全に中国人観光客を失った場合、日本が大々的に推進する旅行・観光産業はどれほど発展できるだろうか。観光庁が2012年2月25日に発表した統計データによると、2012年1月に日本を訪れた中国大陸・香港・マカオ・台湾省の観光客数は25万4000人に達し、外国人観光客全体の43.7%を占めた。そのうち中国大陸は11万400人、香港は4万6600人となり、外国人観光客は華人が中心となった。当時の中日の為替相場、中国人観光客の16万円という平均消費額に基づき計算すると、同年1月だけでも中国人観光客が日本観光業に3億5600万元の金を落としたことになる(中国大陸の観光客は1億5500万元)。物価水準やその他の要素を除けば、12ヶ月で42億7000万元に達する。
日本の貿易赤字、エネルギー輸入、海上貿易航路、観光産業などの面から、日本の経済発展の脆弱性(もしくは不利な点)を分析してきたが、日本は経済先進国でありながらも、基本的な国情などの面で致命的な「構造的な欠陥」を持つことが明らかになった。また長年に渡り日本社会の発展を妨げてきた少子高齢化の面から見ると、この「構造的な欠陥」がより際立ってくる。若者が減少する国、高齢者の占める比率が24%に達する国の将来には、さまざまな不利・不確定な要素が存在する。
中日に軍事衝突が発生した場合、大きな損失を被るのは中国の方だろうか。答えは上述した分析によって示されている。(筆者:厖中鵬 中国社会科学院日本研究所の専門家)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月16日