午年の春節中、侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館(南京大虐殺記念館)に来館者が殺到した。旧暦の1月1日から5日まで、国内外からの来館者が10万人を突破した。人々はここで歴史を偲び、死者を哀悼し、平和を祈った。しかしながらこの時に、日本からは腹立たしい騒音が伝わってきた。報道によると、日本広報協会(NHK)の経営委員である百田尚樹氏が3日、街頭演説の中で南京大虐殺は存在しないと発言した。
歴史は魑魅魍魎によって抹殺されるわけにはいかない。南京の万人坑の白骨、生存者の体に残された傷跡、衝撃的な写真、客観的かつ正確な研究論文のすべてが、あのむごたらしい歴史を示している。
1938年の1月から5月にかけて、創刊されたばかりの『新華日報』が、10数編の南京大虐殺に関する記事を掲載した。そのうち3月9日の記事は「日寇在南京獣行」を見出しとし、日本軍の南京における殺戮、放火、淫行、略奪の野蛮な行為を系統的に記した。近年に入り、歴史研究の深化に伴い、南京大虐殺に関する新たな証拠が発見され続けている。遼寧省公文書館はこのほど、南満州鉄道株式会社の「南京特務班」の3件の機密報告書を公開した。報告書に記載されている死体埋葬記録によると、1938年3月になっても、日本軍は毎日5−6台のトラックと200−300人の労働者を使い、死体を処分する必要があった。
百田氏の発言は、論説に値しない。しかし日本の右翼勢力が古い手口を繰り返しており、これに対して強い警戒が必要だ。まず百田氏の特殊な立場に注意するべきだ。百田氏はNHKの経営委員であり、NHK経営委員会は経営に関する内容を決める最高機関だ。NHKの高官にこれほど明らかな傾向があるならば、日本メディアの客観と公正をいかに保証するのだろうか。これは、日本国民の第二次世界大戦の歴史に対する正確な認識に影響する。次に、百田氏の「個人的な発言」は、安倍政権との「二人芝居」のように見える。南京大虐殺の否定は、教科書改訂、靖国神社参拝、憲法改正と同じく、戦後体制の打破、日本の再軍事化を目的としている。これは全世界の平和を愛する人々が目にしたくないことだ。それから、百田氏は街頭演説で公然と発言した。この増長の勢いは、軍国主義の思想もしくは情緒が、日本社会で台頭・蔓延する勢いを示している。これはさらに危険なことだ。
毎年の12月13日、南京の上空に耳をつんざくような警報が響く。警報を鳴らすのは、同胞を哀悼し、今の人々に注意を促し、歴史を再演させないためだ。日本人にとっても、同じく注意が必要だ。歴史を正視し、過ちを進んで正すことで、初めて尊重を獲得し、友人を手にし、前進を続けることができる。復活した軍国主義は、世界にとって大きな災いであるばかりか、日本を滅亡の深淵に引きずり込むだろう。我々は日本に対して歴史を正視し、罪を反省するように求めているが、これは憎しみを胸に刻み敵視を続けるためではなく、平和を惜しみ未来を見据えるためだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年2月7日