NHK幹部が慰安婦や南京大虐殺の史実を否定する発言が波紋を呼ぶ中、安倍晋三首相は2月5日に行われた参院予算委員会で、政府に批判的態度の朝日新聞を激しく批判し、「安倍政権打倒は朝日の社是である」と述べた。日本の首相が主流メディアを特定して批判するのは異例のことだ。安倍首相がメディアと口裏を合わせ、難関を乗り切ろうとしているのは明らかだ。
公開の場で不満を吐露
5日の参院予算委員会で、日本の安倍首相は主流メディアの朝日新聞に対する不満を表明した。
安倍首相は「この数か月間行われてきた言辞が正しかったかどうか。検証すれば極めて有意義だ」と述べ、「安倍政権打倒は朝日の社是であると聞いた。私もそういう新聞なんだなと思って読む」と名指しでコメントした。
過半数の議席を持つ、安倍首相率いる連立与党が国会で強行採決した特定秘密保護法は、野党や日本の知識層から強い反対と批判があった。朝日新聞も反対の立場を示し、安倍政権を批判。
朝日新聞は社説で、「他の国々との関係を忘れた内向きな思考に拘泥していると、外交の幅を狭め、自縄自縛の隘路(あいろ)に迷い込む」と安倍首相に警告した。
こうした立場と批判的態度は当然、安倍首相の強い不満を招いた。
NHK幹部の発言に比べ、朝日新聞の声は明らかに耳障りだ。
新任の籾井勝人NHK会長は1月25日の就任会見で、特定秘密保護法について、「特定秘密保護法は通ってしまったからしょうがない」とし、安倍首相の靖国神社参拝については「安倍首相が信念で行かれたということではないか。それをいいの悪いのという立場に私はない」と述べた。また、慰安婦問題について「戦争をしているどこの国にもあった。日本だけが強制連行したみたいなことを言っているから話がややこしい」と語った。
NHK経営委員の百田尚樹氏は2月3日、都知事選候補者・田母神俊雄元航空幕僚長の応援演説で、「1938年に蒋介石が『日本軍が南京大虐殺をした』と宣伝したが、世界各国は無視した。南京大虐殺はそもそも存在しなかったからだ」と述べた。
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「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年2月8日