南極海で活動していた日本の捕鯨船が、反捕鯨を主張するニュージーランドの排他的経済水域(EEZ)に侵入した事件が10日、より一層深刻化した。ニュージーランドのジョン・キー首相は、外務貿易省幹部がウェリントンにある日本大使館の野川保晶大使を呼び、「怒りと深い失望感」を伝えたことを明らかにした。このわずか3日前には、ニュージーランド日本大使館の副大使が召喚され、捕鯨船の問題に対する説明を求められている。ニュージーランドメディアは、「政府がこのところ、頻繁に日本の捕鯨船による『極めて非礼』な行為に対し、外交的措置を取っているのは、日本が南太平洋で行っている残酷な捕鯨行為に大きな不満を感じていることを示している」と伝えた。
ニュージーランドの政界における、日本の捕鯨活動に対する立場は一致している。最大野党である労働党の外交問題担当・デビッド・シアラー報道官は10日、「日本に引き続き圧力をかけ、大義名分だけで中身を伴わない、いわゆる『研究を目的とした調査捕鯨』を規制するよう」政府に提言した。デビッド氏は「マカリー外相が日本大使を召喚したことは『素晴らしい第一歩』である。今後も日本政府が事の重大性を認識できるよう働きかけるべきである」との見方を示した。
環境保護をかかげるニュージーランドの「緑の党」は、日本の捕鯨活動を厳しく非難しており、「日本の捕鯨船によるニュージーランドのEEZへの侵入は、一種の『挑発』行為である」とし、「オーストラリアを見習い、日本政府に正式な抗議声明を出すべきである」と意見した。
ニュージーランド国内における日本の捕鯨活動に対する非難は絶えず高まっている。『環球時報』が10日、ニュージーランド最大の都市オークランドで街頭インタビューを行った結果、反対の声が大多数を占め、「虚偽に満ちた残忍な殺戮行為」であると指摘する人さえいた。