敗戦後の日本は平和憲法を制定し、戦争権を放棄すると明記した。この平和憲法により、日本は再び国際社会に復帰し、平和な国際環境の中で経済を発展させ、世界の経済大国になった。しかし今や、日本は治った傷の痛みを忘れ、戦後の日本経済・社会の発展が戦争権の放棄を明記した平和憲法の上に成り立っていることを忘れており、今日の日本の成果は戦後に形成された国際秩序とまったく関係がなく、むしろ平和憲法が日本を束縛しており、戦後に形成された国際秩序が、再び世界の軍事大国になろうとする日本の取り組みを妨害していると考えている。そこで平和憲法を改正し、第二次世界大戦の歴史的結果を否定し、戦後の国際秩序を打破することが、安倍首相を始めとする右翼の政治勢力が求めてやまない政治目標となっている。
歴史に仮説はなく、歴史を再演させることはできない。日本の右翼勢力は心の中で、常にもう一度「神風」を吹かせ、日本にかつての「帝国の威風」を取り戻させようとしている。しかし世界の歴史の流れは力強く、いかなる勢力も歴史の前進を覆すことはできない。
現在の中国は120年前の弱く貧しい清朝末期ではなく、中国人は69年前に凶悪な日本の軍国主義勢力を撃退した。中国のGDPは4年前に日本を抜き、世界2位の経済国となった。甲午戦争(日本名・日清戦争)の恥辱、抗日戦争の団結、現在の中国の国力の強化は、日本が歴史を繰り返し、もう一度アジア太平洋の歴史の冒険者になることを許さない。
戦後のドイツは完全に歴史の荷を下ろし、かつての重く苦しい歴史に徹底的に別れを告げ、すべての被害国の国民に心の底から懺悔し、侵略の歴史の悲劇を再演させないと決意した。罪深い侵略の歴史を振り切ったドイツは、新しいドイツの誕生を迎えた。その一方で悪事を悔い改めない日本は、罪深い歴史の重荷を背負い続け、匍匐し徘徊するしかなく、新たな生命は得られないだろう。(筆者:厖中鵬 中国社会科学院日本研究所の学者)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年2月27日