サービス業による新しい都市
日本が高度成長期を過ぎると、産業の発展がピーク期に入った。都市は新産業を形成し自身の発展を維持しようとしたが、日本ではサービス業の導入による新しい都市の建設という流れが見られた。
大学都市、ソフト創業パーク、生物工学創業パークが、そのうちの重要な内容となった。
農村部と異なり、町もしくは都市には便利な交通、一定規模の商業市場がある。これを基礎とし、教育と医療機関が生まれ、事務や金融・保険業に従事する市場が出現した。農村部の人口は、これらの条件が整った場所に移り、新しい都市の建設の前提条件を形成した。
しかしここには必須条件がある。大規模な産業都市がなければ、サービス業を中心とする町・都市を建設することは出来ない。東京や大阪などの大都市の発展はピーク期に入ると、発展を持続する可能性が薄れていった。大都市の一部の人口と産業が、外部に移転する必要が生じた。この時期に大都市周辺に新しい都市、大学都市などが誕生した。いきなり農村部の生活から離れた新しい都市を建設するという現象は、日本では稀なケースだ。
サービス業がもたらした新しい都市の規模はいずれも大きくなく、現在も発展段階にある。医療条件の進歩に伴い、新しい都市は高齢化後の主な人口の移転先になり、発展を続けていく。既存の大都市の居住・医療条件によると、多くの高齢者は大都市で生活し続けることが困難だ。彼らは高齢者になったばかりの時期に、新しい都市に移る。これによりサービス業を主な内容とするこれらの都市に、発展の可能性が生まれた。
大学都市などの新しい都市は、卒業生が現地に留まり住民になることを願っており、現地での研究開発の奨励といった取り組みを進めている。最近はソフト開発(福島県会津若松市など)、生物工学、製薬などが、多くの町・都市が重点的に推進する内容となっている。
寂れた農村部