李克強総理報告 民生向上を前面に押し出す
さらに、李克強総理は『報告』の中で,今年の成長率を昨年同様の7.5%程度(中文:左右)としました。『改革深化』元年の行方は,7.5%左右成長に文字通り左右されることになります。『両会』期間中の3月6日の記者会見で,成長率7.5%左右の意味について質問を受けた楼継偉財政部長(財務大臣)は,“7.3%、7.2%でも7.5%左右ということだ。昨年,経済成長に最も貢献したのは雇用だ”と応えています。無駄のない成長を目指すということでしょう。
さて、今年の全国財政支出(案)の内訳(支出総額:15兆元〈約255兆円〉)をみると、国防を除く支出額上位5傑は、①農林水事務、②社会保障および就業(雇用)、③医療・衛生・計画出産、④交通運輸、⑤教育の順で、民生傾斜となっていることが分かります。“雇用の貢献”に言及した楼部長は、さらに、“GDPに占める比率で、昨年初めてサービス業が製造業を上回った。サービス業が多くの雇用を吸収したからだ”としています。予算編成からも、『改革深化』の方向を構造調整(サービス業の育成・発展など)、その目的を民生向上とした『報告』の一端がうかがえます。
≪『報告』における数値化された2014年の主な重点工作》
成長率(7.5%左右/7.7%),CPI上昇率(3.5%以内/2.6%),都市登記失業率(4.6%以内/4.1%),都市部新規雇用者数(1000万人/1310万人),財政赤字(前年比11.1%増:1.35兆元:約22兆円),「三个億人」城鎮化(①1億人の農業移転人口の都市定着化、②都市貧困地区1億人の住居改造、③中部地区1億人の都市住民化),保障住宅480万室の建設など。(/後の数字は2013年実績)
対外関係で投じる大きな一石