中国国防部新聞事務局は4月末、「中国とロシアの海軍は、両軍の実務レベルの協力を深化し、海の安全の脅威に共同対応する能力を高めるため、5月下旬に東中国海の空域・海域で、合同演習『海上連合−2014』を実施する」と発表した。日本の防衛省の高官は、「自衛隊は5月中旬に、離島奪還の軍事演習を実施する」と発表した。中・ロ・米・日は新たな「駆け引き」を展開するのだろうか?
4カ国が新たな「駆け引き」を展開するという説には、片手落ちな印象がある。注意すべきは、中国がロシアとの合同演習を発表したタイミングだ。中国は、オバマ大統領が訪日中に、釣魚島(日本名・尖閣諸島)に日米安保条約が適用されると称した後にこれを発表し、真っ向から受けて立つという姿勢を示した。しかし、この他にも注意すべき点がある。中国は初めて病院船「和平方舟」、1隻の補給船、1隻の護衛艦、1隻の駆逐艦を派遣し、日本を含む22カ国と共同で、米国が主宰する2年に1度の環太平洋合同演習(6月26−8月1日)に参加することになった。そのため、この形式を見れば少なくとも、中ロが手を結び米日に圧力をかけるという説は客観的ではないと判断できる。
オバマ大統領の日本を「強く支持」する発言を、日本が揉め事を起こすようそそのかしていると見てはならない。オバマ大統領の発言には、二つの理由がある。これはまず、米国の「東中国海情勢の安定」というリバランス戦略によるもので、中国が「力により現状を変える」ことに反対することを目的とした。それから、日本をなだめるという理由もあった。安倍政権の高官は最近、米国に対する不満を隠そうとしていない。日本の政治家の、米国に対する不満を示す一連の発言により、オバマ大統領は日本の「脱米」の傾向に懸念を抱いている。これらの発言はまた、米国の同盟国における威厳を損ねる。これは言うまでもないことだ。