国務委員の楊潔チ氏がベトナムを訪問する前日、ベトナム国営ペトロベトナムはロシア企業と契約を結び、ベトナム大陸棚に属するフーカイン海域にある油田125号と126号を共同開発することになった。ウォール・ストリート・ジャーナルは、「契約締結の背景には、中国海洋石油有限公司が西沙諸島の海域に掘削リグを設置したことに対する、ベトナムの抗議がある。ペトロベトナムはこのほど、ベトナム沖でプロジェクトを実施中の国際的な石油会社と交渉を進めており、エクソン・モービル、ガスプロム、ONGCなどが作業を継続する意向を示した」と伝えた。
中国南海研究院院長の呉士存氏は18日、環球時報の記者に対して、「ベトナムは近年、中越関係の大局を維持すると標榜しながら、対立を激化させる措置を一方的に講じないよう中国に求め、現状を維持し中国を縛り付けている。その一方でベトナムは一方的な行動を強め、実益を得ている。石油争奪戦において、ベトナムは資金・技術・設備が不足しており、優遇政策を制定することで、西側の大国の石油会社と南中国海の石油・ガス資源を共同開発している。これにより大国の勢力の介入を拡大し、南中国海問題を国際化させ、中国が各国からけん制を受けるという局面を形成した」と指摘した。
日本の英字誌『ザ・ディプロマット』は17日、米中関係全国委員会会長の発言を引用し、「釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題と南中国海の係争を総合的に見ると、中国は確かに無実である。そのいずれも相手側が先に一方的に現状を変えようとし、中国はこれに反応することを強いられた。しかし中国がいかに説明しようとも、米国と関連諸国はこれを受け入れようとしない。緊張情勢が続けば、中国の『強硬な反応』という戦略は、いずれより積極的な戦略に変化するだろう」と伝えた。
台湾・聯合報は、「海南海事局は18日に航行警告を出した。6月18日から20日にかけて、掘削リグ・南海9号が海南島の南側から南西方向に移動した。南海9号の航路を見ると、西沙諸島の海域の作業に向かっている可能性がある。中越関係が敏感な時期に、この動きは両国の衝突を再発させるおそれがある」と報じた。しかし呉氏は、「緯度と経度を見ると、南海9号がこの時期に西沙諸島の海域に行くことはない。これはまず、同海域には他に成熟した鉱区がないためだ。リグ981は、10年間の探査を経て作業に向かった。海南海事局から得た情報によると、南海9号は予定に基づき海南島の近海で作業をし、西沙方面とは関係がないという」と説明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月20日