米NBCは17日、「英国が中国の貴賓を歓迎、レッドカーペットをウィンザー城からダウニング街まで敷く」と誇張した描写により、英国の中国代表団に対するもてなしを報じた。李克強総理は同日訪英し、エリザベス二世と会見し、キャメロン首相と大範囲・小範囲の会談を開き、さらに中英世界経済ラウンドテーブルに出席した。世界はこの過密スケジュールから、台頭中の世界2位の経済体と従来の西側大国が、どのような火花を散らすかを解読しようと努めている。経済協力の大取引が、最も注目を集める「見所」となった。ロイター通信、ウォール・ストリート・ジャーナルなどは、英BPと中国が200億ドル規模のガス供給契約に調印したことに注目した。香港紙・信報は17日の社説で、「中英の経済・貿易関係には、ウィンウィンが色濃く反映されており、全面的な戦略的パートナーシップの長期的な関係の維持を促す」と指摘した。「環球時報」が伝えた。
しかしフィナンシャル・タイムズが指摘する通り、中国による訪英は英国政府の関係者をはらはらさせている。これは訪英中の全日程に、困難と誤解がつきまとう可能性があるからだ。英国の輿論が訪問の焦点を経済・貿易協力に絞る中、英国の一部の政治家は人権問題により中国を批判する「悪癖」を再発させている。英国の副首相は、人権問題で中国を批判した。しかしBBCは、「いかなる対立や問題が存在しようと、英国は中国との商業関係の発展を強く希望する」とした。
香港・大公報のウェブサイト「大公網」は、「経済・貿易協力は、李総理の訪英で最も重要な内容だ。今回の訪英を、世界の地政学の情勢と照らし合わせると、その意義は単なるビジネスには留まらないことが分かる」と指摘した。
習近平国家主席は今年3−4月の11日間の欧州歴訪で、オランダ、フランス、ドイツ、ベルギーを訪問した。上半期のうちに、中国の指導者は欧州に2回も足を踏み入れた。仏ラジオ放送のRFIは、「李総理の訪英は、英仏独というEU3強に対するバランスととらえることができる」と分析した。
欧州の指導者も相次いで訪中している。昨年12月より、英国の首相、ブルガリアの大統領、ハンガリーの首相、ドイツの副首相、ポルトガルの大統領、イタリアの首相が訪中している。
台湾・「中央社」は専門家の観点を引用し、「中国の指導部は最近、欧州の代表的な国を訪問している。数回の訪問では経済・貿易の議題が話し合われたが、大陸は中欧関係を、単なる商売から戦略的な高みに引き上げ、米日の妨害を突破しようとしている」と報じた。専門家は、「6月上旬のG7首脳会議で、米国と日本は中国の南・東中国海における行為を名指しで批判しようとしたが、失敗に終わった。その中で欧州諸国は、『希釈』の効果を発揮した」と指摘した。中欧の近年の交流を見ると、中国の中欧戦略的協力関係を深化させる手段は確定済みで、実務的な協力を通じて戦略的な基盤を固めることになる。全体方針に変更がなければ、戦略面の関係が深化されるだろう。
ドイツのニュースサイトは17日、「中国の総理はギリシャ訪問を控えている。李総理の訪問は、欧州債務危機に落ちているギリシャにとって、まさに救世主だ。李総理はギリシャ訪問中、両国の海洋協力フォーラムでスピーチを行い、中国の『海洋観』について説明を行うが、これは世界の注目を集めている」と伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年6月18日