【第三者を要因とした衝突リスクの高まり】
袁研究員によると、日本の集団的自衛権解禁の大きな背景の一つは中日間の矛盾だ。中国経済が急速に発展し、軍事力が強まっていることが、日本を刺激している。日本は中国を抑制する必要を感じており、集団的自衛権の解禁にはその目的が含まれる。
共同通信社によると、集団的自衛権の乱用を防ぐための安倍政権の「新3要件」は非常に抽象的で、武力使用の容認の限界がはっきりしていない。袁研究員によると、「密接な関係」にある国という言葉が使われ、共同防衛の相手を「同盟国」に限定していない点にも注意が必要だ。例えば日本の周辺で2つの国が武力衝突した場合、そのうちの一国が日本と「密接な関係」にあり、衝突が日本の国家利益にかかわるとの判断がなされれば、この国を助けてもう一方の国を攻撃することが可能となる。つまりこの国は米国のような同盟国とは限らない。
自民党ナンバー2の石破茂幹事長は昨年11月、集団的自衛権の行使の範囲拡大を公言した。フィリピンやベトナム、インドネシアなどの東南アジアの国が攻撃を受け、地域の均衡が破れ、「日本国の存立が脅かされる」と判断されれば、日本は武力による介入や干渉が可能となるというのだ。
「これは今後の伏線になる」と袁研究員は指摘する。「第三者を要因として中日が衝突する可能性が高まることで、中日間の衝突の可能性は事実上高まる。中国と日本の間では、釣魚島や東中国海などの現実的な利益の衝突があるだけでなく、第三者を要因とした衝突という潜在的リスクが高まっている」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年7月2日