インドのアンサリ副大統領が訪中し、平和五原則発表60周年慶祝行事に出席したことに続き、インド軍の参謀長委員会議長兼陸軍参謀長のビクラム・シン上将が訪中し、中国側と陸軍第4回反テロ合同演習、国境地帯の安定化について協議した。この「文官と武官」は、モディ政権が発足1ヶ月以来で中国に派遣した最高ランクの高官だ。習近平国家主席は年内にインド訪問を予定しており、また両国の指導者はブラジルで開かれるBRICsサミット中の会談を目指している。海外は、両国関係の今後に期待している。
もう一つのアジアの大国である日本に対して、モディ首相は冷たくあしらうのではなく、2番目の訪問国という「プレゼント」を安倍首相に送った。モディ首相は海外に対して、現政権および本人が、日本との関係を非常に重視しているという強いシグナルを送った。中日の駆け引きが激化する微妙な情勢の中、中日を共に重視し、等しい距離を維持することが、モディ政権の外交の鍵になっている。
インドは新興国、世界2位の開発途上国、アジア3位の経済体・軍事強国であり、中日両国にとっての重要性は言うまでもない。中国はモディ政権、およびモディ首相本人との交流を通じて、インドとの対立の管理・制御、協力の拡大、中国西部の安定化を促し、東で強まる日本の挑発への対応に専念できるようになる。
日本は近年インドとの間に外相・防衛相による会談「2プラス2」の枠組みを形成しており、政治関係が飛躍的な発展の流れを示している。安倍首相は就任後、インドを外交の重点目標として位置づけた。日本は中国とインドが抱えている歴史的なもつれや国境線の残された問題、インドとのさまざまな面における意識的な「共通の価値観」を利用することが可能だ。ゆえにインドは、中国と共に対抗する「自然の同盟国」となっている。安倍首相とモディ首相のプライベートな関係はよく知られているが、これはより重要な事だ。両者はツイッターで仲睦まじい友人であることを演出しており、国家の経済改革の理念にも多くの共通点がある。モディ首相の訪日は、個人的な友情を最大限に国家利益に変化させ、両国の協力をさらなる高みに押し上げ、今後の駆け引きの重要な駒を揃えることになる。