日本と米国は10月8日、日米防衛協力の指針の見直しに関する中間報告を発表した。最終報告は、年末もしくは年初の発表を予定している。両国は中間報告の中で、協力の指針の目標を「アジア太平洋の安定・平和・繁栄の促進」とした。中間報告はまた、指針の見直しにより両国が国際平和と安全により良く貢献できると何度も強調した。
米日が「平和」の旗印を高々と掲げるのは、指針の見直しに向け、道義的な支持を集めるためだ。しかし美しいパッケージはその醜い実質を覆い隠せない。この中間報告が露呈したのは、私利を貪ろうとする両国の願いだ。
日本が指針の見直しを進めることには、二つの大きな目的がある。一つ目は戦後の国際秩序からの脱却、特に日本の軍拡と自衛隊の権利を制限する平和憲法の打破だ。中国や韓国などの周辺諸国から発展の方向性を疑問視されている日本は、米国の支持に依存している。米国も日本に応じる構えを見せている。今回発表された中間報告の中で、米国は日本を強く支持し、自衛隊の活動の拡張は平和憲法に合致すると称し、日本の憲法突破にゴーサインを出した。
日本の二つ目の目的は、中国対抗だ。日米両国が1978年に初めて指針を制定したのは、「ソ連の侵攻の可能性」に対応するためだった。日本政府は2012年に、一方的に釣魚島(日本名・尖閣諸島)を「国有化」し、中日関係を著しく損ねた。防衛相はこの気に乗じて、中日関係が緊張する中、指針を見直す必要があると米国に提案した。その後日本は「中国の脅威」を誇張し、指針見直しを中国の軍事力の発展、および海上活動と結びつけようとした。今回の見直しで、中国は安保協力を強化する日米の仮想敵国にされた。
米国から見ると、指針見直しは「アジア太平洋リバランス」への支援を目的としている。米国はアジア太平洋の主導権を非常に重視している。この超大国は内政・外交の問題により、自国の力のみではこの目標を実現できなくなった。中間報告は、米国はよりバランスのとれた、効果的な同盟関係を発展させる必要があるとした。「バランスのとれた」と「効果的」は、米国の重要なアジア太平洋の同盟国である日本が、地域内の問題の処理においてより大きな力を発揮し、多くの責任を担うべきであることを意味している。
今回の中間報告は、同盟をツールとし、世界で利益を奪取しようとする両国の「青写真」を描き出した。日米の共に覇を唱えようという思想が、暗に蔓延している。米国の放任により、日本は新たな「世界の警察」になり、「新干渉主義」を促進する可能性がある。この危険な傾向が、世界各国の懸念を深めることは間違いない。
同盟関係が、平和と安定を維持する正しい手段であったことはない。広く友人と交わるウィンウィンの関係は、時代の流れに合致しており、食い違いや対立の解消を促す。仲間を抱き込んでも不信任感を強め、衝突のエスカレートを招くだけだ。冷戦時代の両陣営による一触即発の緊張状態が記憶に新しいが、米日はこの一幕を再演しようというのだろうか?
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年10月9日