最も物議を醸しやすいノーベル平和賞が、本日午後にノルウェーで発表される。今年の候補は278と過去最多。西側メディアは、戦争の中で平和を訴えたローマ教皇のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ氏、米国が世界を監視していたことを暴露した元諜報員のスノーデン氏、プーチン大統領を勇敢に批判するロシア紙「ノーバヤ・ガゼータ」、憲法9条を持つ日本国民などを有力視している。これらの候補者はいずれも受賞の理由を持つが、「完全な条件」を備えていない。
憲法9条を申請していた日本の実行委員会は9日、10日午後に記者会見を開き、ノーベル賞の発表を共に見守りたいと表明した。実行委員会の岡田えり子さんは、「受賞よりも、多くの人がこの貴い平和憲法を守ろうと思うことが重要だ」と述べた。
ワシントン・ポストは9日、「ノルウェー・ノーベル委員会は現地時間10日午前11時に、2014年のノーベル平和賞の受賞者を発表する」と報じた。平和賞の情報に詳しいノルウェー国営放送は、「委員会の議論は最後まで続けられ、選考に苦しんでいるようだ」と伝えた。
2012年のノーベル平和賞の受賞者はEU、2013年は化学兵器廃絶のための広範な活動を行う化学兵器禁止機関(OPCW)。これは憲法9条の受賞に対する注目度を高めた。憲法9条は、「国権の発動たる戦争」を永遠に放棄している。ワシントン・ポストは、「戦争が続く現在の世界において、平和は極めて貴い存在になっている。オスロ国際平和研究所のハープウィンケン所長は、日本国憲法の受賞を支持しており、『大半の日本国民は、日本が1946年から戦争に巻き込まれていない主因は、憲法9条の不戦の誓いだと考えている』と述べた。『憲法9条にノーベル平和賞を実行委員会』による憲法9条の申請は、ノーベル平和賞受賞を促す主な力となった」と報じた。岡田さんは9日、環球時報の記者に、「憲法9条が最有力候補とされているのは、日本の平和憲法の素晴らしさが世界に広く認められていることを意味し、励まされる」と興奮して語った。
同委員会の発起人は、主婦の鷲巣直美さんだ。同委員会は昨年秋よりオンライン署名を募集し、大学教授などの推薦者と連絡し、憲法9条の申請を実現した。10月9日夜まで、同委員会は47団体の278の推薦状、41万人以上の書名を集めている。
岡田さんはノーベル平和賞への申請について、「日本政府に憲法を守る市民の力を感じさせ、多くの人に平和憲法を守らせたい」と述べた。ノーベル平和賞は個人もしくは団体にしか授与されないことから、同委員会は受賞者を「日本国民」としている。受賞した場合、誰を日本国民の代表者として派遣するかという問題について、岡田さんは「ノーベル委員会が安倍首相を指定した場合、首相は集団的自衛権の行使容認を認める閣議を撤回し、憲法を修訂しないと約束しなければ、受賞する資格はない。今回受賞を逃したとしても、今後も平和憲法の宣伝に取り組み続ける」と厳粛な面持ちで語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年10月10日