日本の現在の輿論は常に、戦前の日本は非人道的な罪を犯したナチス・ドイツとは異なると強調しており、同時に日本の既得利益を守る既存の国際秩序の維持を強調している。中国と韓国の根強い説得により、日本ではドイツに学ぶ必要があるという主張と、既存の国際秩序が合理的とは限らないという主張が見られ始めている。この前向きな声はまだ大きくないが、主流メディアに掲載され始めたことは注目すべきだ。
日本経済新聞は先ほど「ドイツに敗れた日本」と題する記事を掲載し、日独両国の戦後の発展を比較し、日本は隣国関係と経済政策でドイツに及ばず、ドイツに学ぶべきだと指摘した。同記事は、「日独両国はともに軽武装で経済優先の路線を堅持し、経済の奇跡が実現した。違いが鮮明になったのは近隣諸国との関係である。ドイツが独仏融和を軸に欧州連合を築き、深化・拡大させたのに対し、日本は中国、韓国という重要な隣国との関係でつまずいている。次に、ドイツの経済成長は欧州連合の深化と拡大によるものだが、日本は中国や韓国との関係の冷え込みにより、世界の経済成長の中心からチャンスを得ていない」と分析した。
早稲田大学教授の青山瑠妙氏は8月末に、「国際関係論から中国を見る」と題する記事を執筆し、中国が覇権主義を歩んでいるという、日本で主流の観点を批判した。同記事は、「中国は米国が戦後主導した国際秩序の最大の受益者だ。米国一極集中の時代が終わろうとした今、中国はアジアと国際秩序を建設的な方向に導く可能性がある」と指摘した。
慶応大学准教授の大久保健晴氏は、読売新聞で「いかに中国の夢に対応すべきか」と題する記事を発表した。同記事はまず、世界の現行の国際法を押し付ける西側諸国の非合理性について論じ、「日本の過ちは、国際法を盾にした条約外交の展開によって、中国を中心とする既存の東アジアの秩序を変えようとするところにある。日清戦争が、その象徴的な出来事だ。近代の日本が展開した国際法外交は、アジアと世界に平和と安定をもたらさなかった。日本の近代史の歩みを、批判を加えず全て肯定することはできない。アジア諸国と団結するため、日本に今必要なのは歴史を鑑とし、未来を見据えることだ」と主張した。