パナソニックの津賀一宏社長は10月14日に北京を訪問し、同社の中国進出35周年を祝った。しかし津賀氏がメディアから受けた質問のうち最も多かったのは、「パナソニックは家電市場から撤退するか」だ。
パナソニックは中国の改革開放の全過程を見守ったとも言える日本企業であり、過去1年に渡り自社の変革に取り組んだ。消費財の企業から、ハイテク素材と部品のサプライヤーに回帰したのだ。
きまりの悪い「撤退」
「撤退」と「縮小」は昨年より、日本電機大手に貼られた、剥がすことのできないレッテルになっている。ソニーの「破産」に関する噂が、毎月のように伝えられているほどだ。ソニーはこのほど、「中国市場撤退」を報じられた。対応に追われる社員は北京晨報の記者に送信したEメールの中で、この「事実に反する」報道に対する「ショックと困惑」を表現した。
パナソニックも「家電市場撤退」の噂に直面している。津賀社長は、「家電産業を放棄することも、縮小することもない。家電は依然として5大支柱産業の一つであり、当社の前年度の収入の23%以上を占め、人民元に換算して1000億元以上に達した」と述べた。
しかし消費者は家電売場で、日本ブランドの勢いが、韓国企業に奪われていると感じやすい。携帯電話の売場では、サムスンが最も目立つ位置を占めており、20-30機種が並べられている。ソニーは携帯電話の販売を続けている数少ない日本電機メーカーだが、パソコン事業を手放した。パナソニックは早くからスマートフォンやプラズマテレビを手放しており、カメラの生産台数を大幅に減らし、一部の家電と美容家電に戦線を縮小した。東芝や日立などのかつて人々によく知られていた家電メーカーに関しては、エンドユーザーが市場で目にできるのは一部のノートPCや小型家電のみだ。記者に日本ブランドのテレビの種類は少なすぎると言われた販売員は、「実益重視なら国産を選んだほうがいい」と述べた。
富士通、東芝、ソニーなどの日本企業は昨年より、経営コストを削減するためにロンドン証券取引所での上場廃止を選択している。パナソニックやソニーなどは、人員削減や固定資産の売却などの策を講じている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年10月22日