1月15日付の産経新聞によると、世界最大の自動車メーカーであるトヨタは、1台目となる量産型水素燃料電池車「ミライ」のキーを安倍晋三首相に渡した。
新車の1人目のオーナーは、新車のイメージを代表する。トヨタの水素燃料電池車が安倍首相をイメージキャラクターにするとは驚きで、昨年強い圧力に直面したトヨタブランドの中国現地ディーラーを苦しめている。
試乗の当日、トヨタは内閣官房、経済産業省、国土交通省、環境省にミライを1台ずつ納車した。安倍首相が自ら納車式に出席し、先頭に立ち普及を促進する役割を担った。安倍首相は自らの運転で官邸の前庭を一周し、「出足もいいし、静かで本当に快適。すべての政府部門に導入したい」、「法整備により、セルフ水素ステーションを実現する」と語った。
安倍首相が意欲を示しているのは、ミライだけではない。米ビジネスウィーク誌は、トヨタの年間最優秀セールスマンは、安倍晋三首相かもしれないと報じた。これは安倍首相が昨年強硬な刺激策を講じ、円安を誘導し日本製品の輸出を力強く促進したからだ。これによってトヨタは2014年に、販売台数世界一を維持した。
中国国内では、トヨタが安倍首相を新車のイメージキャラクターにしたことについて、さまざまな観点が示されている。しかし安倍首相が靖国参拝や釣魚島(日本名・尖閣諸島)などの問題によって、中日を常に微妙な関係としていることから、このイメージキャラクターはトヨタの中国販売に影響を及ぼす可能性が高いという点では、意見の一致も見られる。
また、トヨタは中国市場をまったく重視していないと分析する声もある。トヨタの中国市場における利益はフォルクスワーゲンやゼネラル・モーターズに遠く及ばないが、世界販売トップを維持している。ゆえにトヨタにとって、中国市場はそれほど重要ではないということだ。ミライを例とすると、このトヨタの新エネ事業にとって非常に重要な戦略的意義を持つ車種は、今年下半期に欧米市場に進出を予定しているが、中国市場進出はまだ先の話だ。トヨタはまたハイブリッド技術の開放を渋っており、中国新エネ市場の機先を制することができなかった。