日本家電産業の国内回帰は、日本製品の競争力の低下を側面から反映している。日本は長期的に、中国などを消費市場ではなく、生産・輸出基地としてきた。韓国のサムスンと比べ、日本企業は中国市場の開発に本腰を入れておらず、価格や販売チャネルでも中国の地場メーカーには及ばない。日本企業の労働生産性の向上は、人件費などの生産要素の価格高騰には追いつかず、収益力が低下している。ゆえに国内回帰は、市場競争の自然淘汰と言える。
製造業の回帰は、「メイド・イン・ジャパン」の付加価値を高める。「メイド・イン・ジャパン」は市場で影響力を維持しており、一部の消費者は高額でも購入しようとする。各社が生産を戻している製品は、高付加価値の製品が中心となっている。低価格の家電や利益率の低いデジタル製品は、日本以外での生産を維持している。
しかし政策研究大学院大学の邢予青教授は、「日本の製造業の回帰が、長期的な流れになることはない。世界の産業チェーンの分業が形成されれば、これは安定的したものとなる。企業が海外市場から撤退すれば、それまでの工場や設備への投資が埋没費用になるからだ」と指摘した。みずほ総合研究所の研究によると、製造業の回帰は日本経済の回復を促すが、海外市場のチャンスの喪失、国内の労働力不足という二重のリスクに直面することになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年1月28日