28日付マカオ紙『澳門日報』は社説の中で、安倍政権が推進している「積極的平和主義」の実質は「積極的干渉主義」であり、日本の軍拡を促すものだと論じた。この戦略を継続すればさらに火傷を負い、日本人の海外におけるリスクを高めることになる。社説の要約は下記の通り。
人質になった二人の日本人の一人である湯川遥菜さんが、過激組織「イスラム国」に首を斬られたという情報は、日本を震撼させた。怒れる日本国民は政府にもう一人の人質の救助に尽力するよう求めており、同時に戦後の「平和国」を変えようとする安倍晋三首相を強烈に批判した。安倍首相が安保政策を推進し、集団的自衛権の行使を容認し、海外に派兵し中東に介入すれば、日本国民はさらに大きなリスクに直面するだろう。
イスラム国は28日夜に再び動画を公開し、日本とヨルダンの政府に対して、24時間内に人質交換に応じなければ、後藤健二さんとヨルダンのパイロットを殺害すると予告した。
一人の人質が殺害され、一人の人質の危険が迫り、日本人を憤らせている。一部の日本人は対応が遅れる安倍政権に怒りをぶつけ、安倍首相の「余計なお節介」がこの人質事件を引き起こしたと批判した。彼らはまた、米国が安倍首相に身代金支払いに応じぬよう求めたことで、人質が殺害されたと批判した。
多くの日本人が東京都の首相官邸前で抗議を行い、「私はケンジ」、「私はアベではない」、「人質を殺すな」といったプラカードを掲げ、「アベ、ケンジを救出せよ、さもなければ辞めろ」、「命を守れ」、「アベ、外国で厄介事を起こすな」といったスローガンを叫び、安倍政権に残された一人の人質を救出するよう強く求めた。
デモ参加者は、「安倍政権は集団的自衛権の行使容認、武器輸出拡大などの措置により、日本の戦後の平和国としてのイメージを変えた。日本人が拉致されてからも、安倍政権は無為無策で、米国の言いなりになり、悲劇を発生させた。これは外交の大失敗だ」と指摘した。
今回の人質事件は日本社会に衝撃をもたらしており、今後の国家安全政策の動向に影響を及ぼしそうだ。安倍首相は人質事件など痛くも痒くもないと思っており、これを改憲を推進し集団的自衛権の行使を容認する新たな口実にする可能性もある、と考える人もいる。しかし一部の人は、悲劇により国民は安倍首相の取り組みへの反感を強めると判断している。
イスラム国は昨年8月より欧米人の5人の人質を殺害しているが、日本人を殺害するのは今回が初めてだ。海外は今回の事件を通じて、イスラム国の残忍さを目にしたほか、安倍政権が進める「積極的平和主義」の実質は「積極的干渉主義」であることを認識した。これは日本の軍拡を進め、米国に従い中国を包囲し、南中国問題や中東問題に干渉し、徐々に平和的発展の道から外れる主義だ。
安倍政権がこの戦略を進めれば、さらに火傷を負い、日本人の海外におけるリスクを高めることになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年1月29日