過激組織「イスラム国」が人質の後藤健二さんを解放する条件は、ヨルダンが24時間内にイラク国籍の女性テロリスト、リシャウィ死刑囚を釈放することだ。しかしヨルダンは、人質になったパイロットのカサースベさんが生存しているという証拠が確認できなければ、リシャウィ死刑囚を釈放することはないと求めた。1月30日付の韓国紙『国民日報』によると、イスラム国はヨルダン政府に29日の日没前にサジダ・リシャウィ死刑囚を引き渡さなければ、人質になったヨルダンのパイロットを殺害すると宣告した。この要求は注目を集めている。
同紙はNHKの報道を引用し、イスラム国に囚われている後藤健二さんの音声がオンライン上で公開されたと報じた。29日に公開された音声は、「私は後藤健二です。あなたたちに送るように言われたボイスメッセージです。もし1月29日木曜日、モスルの日没までに、トルコ国境に私の命と引き替えになるリシャウィ死刑囚を連れてこなかった場合に、ヨルダン軍パイロットのカサースベ氏をただちに殺害する」という内容だった。朝日新聞は、引き渡し場所や時間といった具体的な要求から見て、ヨルダンとイスラム国はまだ交渉中と考えられると報じた。この音声は後藤さん本人のものと分析されている。
ヨルダン現地メディアは27日、「イスラム国がヨルダンのパイロットとの交換を要求している2人の犯人には、リシャウィ死刑囚の他に、2005年にイラクでヨルダンの運転手を殺害し死刑判決を受けた犯人も含まれる。これによって問題がさらに複雑化した」と伝えた。
報道によると、イスラム国は20日より日本・ヨルダンと互いに交差する関係を形成している。日本人の人質事件の危機は、長期的な問題になる可能性がある。イスラム国の要求に対して、日本とヨルダンが考えている解決方法には差があり、3者の心理戦に発展している。
ヨルダンのジューダ外務相は、「後藤さんの釈放は今回の交換に含まれるべきだが、先にヨルダンのパイロットのカサースベさんを開放しなければならない」と表明した。ヨルダン国民はまず自国民を解放すべきとネット上で要求しており、ヨルダン政府は選択肢を失っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年1月30日