「歴史を銘記してこそ、未来に警鐘を鳴らすことができる」ソ連赤軍によるアウシュビッツ強制収容所の解放から70周年になるが、ドイツの政府と民間は「アウシュビッツの悲劇」を避けようとはしておらず、ましてや歴史を歪曲しようともしていない。彼らは実質的な行動によって、徹底的に反省しようとしている。
アウシュビッツ解放70周年の記念活動は、歴史を反省する交響曲のような印象を与えた。その序曲はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で、楽団はホロコーストの生存者と犠牲者が残したバイオリンとチェロで演奏を行った。
ドイツ東部のドレスデンでは、2万5000人以上が露天のコンサートを鑑賞した。数十人のドイツの流行歌手とバンドが、コンサートで熱唱した。彼らはドイツ人に対して、痛ましい歴史の教訓を銘記し、極右的思想との間に距離を置くよう呼びかけた。
ドイツのほぼすべてのテレビ局が、特別番組を放送した。ドイツ最大の民放局「RTLテレビジョン」はアウシュビッツの生存者を招き、その体験を語ってもらった。第1・2ドイツテレビなどはドキュメンタリー番組と、「シンドラーのリスト」などの映画作品を放送した。『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』などの新聞も、歴史を振り返る記事を掲載した。
「交響曲」の間奏曲は、国際アウシュビッツ委員会がベルリンで実施した活動だ。メルケル首相は1月26日、アウシュビッツ強制収容所の生存者、イスラエル、ポーランド、ドイツの数百人の青年のスピーチに耳を傾けた。「我々はこれまで通り責任を持ち、多くの人に当時の残虐な行為を知らせ、その記憶をはっきりと人々の心に刻み込む」ドイツ連邦議会が1月27日に記念式典を開き、今年の記念活動がピークを迎えた。ドイツのガウク大統領は、「アウシュビッツの記憶がなければ、ドイツの同一感について話すことができない」と述べた。
ドイツはポーランドやチェコで開かれた記念活動の出席を避けていない。約300人の生存者と約40カ国の首脳が1月27日午後、アウシュビッツの記念活動に出席したが、その中にはガウク大統領などの高官が含まれた。
「交響曲」のフィナーレは、ドイツ各地の博物館が実施した展示会だ。ヨーロッパ・ユダヤ人犠牲者追悼碑の地下展示場「情報の場」は、アウシュビッツ生存者による声の記録を展示した。来館者は生存者の物語の録音に耳を傾けることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年2月2日