中国主導のアジアインフラ投資銀行(以下、同行)の台頭が確実視されており、日本も加入すべき情勢となっている。2月3日付のシンガポール紙『ザ・ストレイツタイムズ』が伝えた。
日本の元外交官は「中国はお笑い草になる」と豪語していた。同行は業績悪化と低収益で失敗に終わるというのだ。この元外交官は同行を、大きな需要を持ち信用度が低い人に優遇措置を提供するサブプライムローンに例えた。
しかし実情は異なっている。日本は、同行の発展を阻害する政治ツールを持たないことを意識すべきだ。米国が同盟国に同行に加入しないよう圧力をかけたという情報があるが、インドネシアやニュージーランドに続き、戸惑いを見せていたオーストラリアも同行の一員になろうとしている。韓国も真剣に検討中だ。EU諸国とカナダも加入する可能性がある。
日本が加入の意思表示を先送りしているのは、アジア開発銀行の影響力を損なう可能性があるからだ。アジア開発銀行の高官の座は、常に財務省と日銀の高官によって占められてきた。
長期的に見ると、アジア開発銀行を含む金融組織は、新興経済国の呼び声を反映できなければ、非主流化する恐れがある。
今や同行の台頭が確実視されているが、日本も同行に加入し、その中で自国の影響力を発揮するよう試みるべきだ。同行の発起人となった加盟国のうち、唯一の先進国であるシンガポールも日本の加入に期待しており、共に銀行管理構造の中で影響力を発揮しようとしている。
日本は同行に加入すれば、情報と資源を獲得できる。加入は自国のインフラ整備の推進と矛盾せず、むしろこれを促すことになる。
各国の首脳は昨年のG20首脳会議で、世界金融危機後に、発展途上国のインフラ整備の需要が、世界の経済成長の新たな源泉になったことを意識した。
同行の誕生は、中国が責任ある世界の利害関係者になった証拠と見なされている。
中日関係は過去数年間で悪化した。歴史・領土問題はさておき、同行はアジアの2大国の経済協力に絶好の機会をもたらした。同行は、アジアの発展にも寄与する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年2月5日