※『上海万博とは何だったのか―日本館館長の184日間』の内容紹介
日本館は、万博会場の最東端にあった4号門から最短距離にありました。その4号門が開門するのが午前9時。開門と同時に、少年が「日本館!日本館!」といって、「かいこ島」の愛称をもつ日本館へ飛んでいきます。
日本館では、朱鷺が舞い、ロボットがバイオリンを弾き、未来の都市を体験することが出来ました。日本館は終始人気館であり続けました。
これまで、日本館が開催国の人々からこれほどもてはやされた万博はおそらくなかったでしょう。その人気の秘訣はなんだったのでしょうか。
万博史上最大となった上海万博のテーマは「よりよい都市、よりよい生活」で、「都市」が初めて万博テーマとなった万博でした。246の国・地域・機関が参加、会期184日間に7300万人が参観しました。これほどの規模の万博はもうないでしょう。
上海万博開催年の2010年に、中国は世界第二位の経済大国に躍進しました。上海万博ほど主催国が意識された万博はなかったでしょう。世界における中国の存在感が高まっていることを日々感じました。
閉幕が直前に迫ったある日、万博会場で、あるスローガンを見て、ふと考えさせられました。そのスローガンとは、「中国元素」と「世界看中国 中国看世界」(世界が中国を、中国が世界に目を向ける)でした。
農村から、超VIPの居城~北京中南海から、ありとあらゆるタイプの人たちが内外からやってきました。多くの出会いがあり、数えきれないほどの喜怒哀楽があったはずです。
本書は、こうした人との巡り会わせと上海万博の醍醐味を中心に構成されています。
中国の経済、社会、そして、人々がもっているダイナミズムとエネルギー、中国と世界の関係などについても、上海万博をフィルターにして論じています。本書が、等身大の中国を知る上で、読者に少しでもお役に立てれば何よりです。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年2月12日