「日本に行ったら便座を買うべし」という書き込みが最近、ネット上で話題となり、「メイド・イン・チャイナ」と日本製品をめぐる再考を促している。日本の温水洗浄便座は中国でにわかに人気を高めており、日本を旅行する中国人の買い物リストの上位に挙げられている。一度に二つも三つも買って帰ってくる人も少なくない。日本の免税店「アッキーワン」の従業員の李さんは、「この種の製品は今年、中国人客の人気が特に高く、メーカーの生産が追いつかないほどだ」と語っている。
便座ごときがなぜこんな大きな話題となるのか理解できないという人もいるだろう。だが良い品は販売ルートに困らない。消費者の信頼を勝ち取り、人づてに広まれば、市場での人気はさらに高まる。日本製便座購入ブームは、中国人の生活水準が大きく高まったことを示してもいる。水洗式便器も使っていない状況では、便座が快適かなどには思いは至らないはずだからだ。
だがこの現象はさらに少なくとも二つの事実を意味していると考えられる。
第一に、日本製品ボイコットは通用しないということ。日本製品のボイコット運動は1920、30年代に始まってから現在まで一部で続いてきた現象である。往年のボイコットが愛国の念に促されて起こったものだとすれば、近年のボイコットは情緒的な色合いが強い。路上の日本車を打ち壊すなど、日本製品反対に名を借りた鬱憤晴らしにしか見えない事例も見受けられる。