第二に、日本の便座の流行は、国産品のさらなる強化の必要性を示している。中国は世界に知られた製造大国であるのに、日本の便座よりもさらにすごい同類製品をなぜ作れないのか。ネットではそんな悲嘆の声が尽きない。専門家はこれについていくつかの原因を挙げている。「市場と技術を交換する」というかつての戦略の消極的な影響。従来型の製造業が転換に踏み出せず、自主革新能力を欠いていること。イミテーションや偽物の製品が多く、ハイクオリティの企業の生産スペースを圧迫していることなど。エアコン大手企業のリーダーの董明珠氏はまた、一部の企業が長期にわたって投機的な態度を取っていることも原因の一つだと指摘している。こうした企業は利潤の最大化ばかりを気にして研究開発を怠り、質の低い製品を量産し、産業全体を破壊している。
消費者は現金なものだ。国産品の品質が十分に高ければ、価格の高い海外製品を苦労して買おうという人はいなくなる。中国が十分に優れた製品を生み出せば、中国製品を買いにやって来る外国人だって出てくるかもしれない。「陶磁器は中国人が発明したものなのに、英国や日本の陶磁器の方が優れているという人が多いのはなぜか」。ある中国の企業家はこう嘆いているが、この疑問に答えなければならないのは企業家だけではない。中国は、宇宙分野で世界をリードする技術を誇る。人々に歓迎される便座ができないのは、技術の遅れだけが原因ではない。中国人の創造欲を刺激するような体制をいかに作り、中国本土の製品をさらにスマートで精巧なものとするために何をすべきか、私たちは再考を迫られていると言える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年2月11日