中国の抗日とシンガポールの義勇軍を支援していた現地の華人に復讐するため、日本軍はシンガポールの占領を始めてから数日後に布告を出し、18−50歳の華人男性を複数の場所に集め集中的に「検証」を行うと発表した。これは形式上のもので、日本軍の真の目的は、シンガポール国内の抗日派と、英国と親しい関係者を粛清することだった。1週間内に反日分子を粛清するために、顔つきが怪しいなどの理由により多くの無実の平民が強制収容所に誘い込まれ、殺害された。当時この「検証」に合格し、最終的に「良民証」を手にした人も、常にこれを携帯しなければならなかった。携帯を怠れば、監禁され殺される恐れもあった。
林さんの父と姉婿は、1週間の「検証」の被害者だ。
一部の統計データによると、少なくともシンガポールの5万人の華人が、日本占領時代に日本軍によって殺害された。1962年には、シンガポール各地で日本占領時代に虐殺された人の遺体が相次いで発見された。シンガポール中華総商会は、これらの遺骨が荒れ果てた郊外に捨てられているのを放っておけず、発見された遺体の統一的な回収・埋葬を行った。さらに1967年2月15日に、市街地に「日本占領時期死難人民記念碑」を建立した。シンガポール中華総商会はその年より、毎年2月15日に追悼式を開き、日本占領時代に亡くなった人々に祈りを捧げている。今年は48年目となった。
今年の追悼式にはシンガポール政府、各国の在シンガポール外交使節、シンガポール武装部隊退役軍人、各宗教団体、犠牲者遺族の代表者ら200人以上が出席したほか、1000人以上の現地の学生が自発的に出席した。
シンガポール中華総商会の蔡其生会長は記者に対して、「追悼式を実施する主な目的は、学生の参与だ。この歴史的事件を振り返ることで、若い世代の学生に国を守る重要性を理解してもらいたい」と話した。
追悼式の当日、「村山談話を継承し発展させる会」共同代表、琉球大学名誉教授の高嶋伸欣氏ら15人が、日本から駆けつけ出席した。