林国本
巳年の春節(旧正月)を迎える前に、テレビで病院の院長が、除夜から翌日にかけて10数人の外科、眼科の医師を宿直当番としてICUにはりつけ、爆竹でケガをした人に対応する用意をしていると真剣な表情で語っているのを見て、中国の旧正月の習慣について深く考えさせられた。
日本は遣隋使、遣唐使の頃からいろいろ中国のことを学んだことを文献で読んだことがあるが、さすがに実用性を重んじる日本人のこと、宦官や科挙などは学ばなかったが、それに加えて正月に爆竹を鳴らす習俗も日本の先人たちは持ち帰らなかったらしい。
中国では旧正月の除夜から翌朝にかけて、都会では爆竹の炸裂音で、夜も眠れないくらいであるが、不思議なことにこの炸裂音を聞かないと正月気分が味わえないのだから、習俗というものはたいへんなものである。