これは戦後の日本政治の岐路で発表された重要な談話だ。談話は戦後に目覚めた日本の人々の声を高いレベルで総括し、侵略戦争と植民地支配について深い反省と心からのおわびを表明しており、戦争責任を回避する浅はかな政治家が東アジア世界に与えた不安定とは明らかに対照的だった。
歴史の経験は明らかだ。村山談話は日本の国際的な威信を低下させず、逆に日本と東アジア各国の距離を縮めた。特に中国や韓国など、かつて日本に侵略された隣国の人々の信頼を獲得し、無責任な一部の政治家の言動で破壊された2国間関係を改善し、東アジアの平和と安定の維持に重要な役割を果たした。
徹底的に過去を反省し、胸襟を開いて未来をつかむには、根本的な問題について態度を明確にする必要があるし、実際の行動で信頼を守り、友情を育む必要もある。
村山元首相は在任中、「中日平和友好交流計画」を推進し、中日両国の研究者が戦争の歴史を共同研究するプロジェクトをスタートさせ、アジア歴史資料センターを設立し、関連組織が保管していた戦争の歴史に関する資料を国内外に公開した。一連の施策は戦争責任に対する政府の認識から曖昧さを一掃し、戦争責任を反省する正確な態度を国際社会にはっきり表明し、世界各国の信頼を獲得すると同時に日本社会にも大きな影響を与えた。
村山元首相に続く歴代首相は異なる政党に所属していたが、歴史問題では村山談話の原則を引き継いだ。一部の政治家もかつて歴史問題に関する談話を発表したことがあるが、その認識レベルが村山談話を超えなかったためか言行不一致だったためか、どれも重要な影響がなかった。
村山談話とその積極的な影響は次のような事実をはっきりと示している。日本の指導者にとって、日本軍国主義の侵略の歴史を痛切に反省し、当然引き受けるべき責任を引き受けることは、自分たちの国家が不名誉な歴史と徹底的に決別するために必ずやらなければならないことだ。こうして初めて日本はアジアの人々と国際社会を安心させる説明ができる。日本が国際的なイメージアップを図る正しい方法は、侵略の歴史に向かい合う反省の態度を厳粛に表明することだ。この態度がアジアの隣国との関係を改善し、東アジアの安定を維持する鍵になる。歴史や地域、世界平和の安定に対する責任ある態度がなければ、日本は本当の意味で歴史の重荷を下ろし、輝かしい未来へと歩み出すことはできない。
「人民網日本語版」2015年3月23日