中曽根康弘元首相はかつて、日本は米国が太平洋に持つ「不沈空母」だと形容したことがある。日本は多くの場合、米国の忠実なパートナーであるが、中国の台頭により米日両国がより緊密になっている。しかし中国の台頭は、米日同盟の分裂を起こしうる。米国が日本の利益を保証できず、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で日本を支持できなければ、双方の溝は深まるだろう。米国の大統領はこの点について約束したことがあるが、一部の日本人は疑問を残している。英フィナンシャル・タイムズ紙が伝えた。
米日両国の関係は、唇と歯のように近いと表現できる。両国は、民主制と市場経済の中で「共通の価値観」を有していると冷静に語ることを好む。だが興味深い言葉はさておき、米日関係は常に戦後最も緊密で持久的な二国間関係である。テロ撲滅や知的財産権の保護など、両国は多くの問題で同じ立場を維持している。
米日のこの緊密な関係は、第二次大戦の灰の中で築かれた。両国は意識的な差を乗り越え、実務的な手段により強く依存し合っている。米国は日本をアジアの代表とし、日本を通じ自国の債務を返済しようとしている。米国債の最大の保有国は日本であり、中国ではない。ただ、唯一の保有国ではないだけだ。日本は資金と後方支援により、米国の軍事的事業に協力しており、米国の核の傘と3万5000人の在日米軍の保護に依存している。中曽根康弘元首相は1980年代中頃、日本は米国が太平洋に持つ「不沈空母」だと形容したことがある。
安倍晋三首相は来週、米日国交正常化70周年に当たり、米議会上下両院合同会議で演説を行う。安倍首相は日本が経済復興に向け一致団結することを強調するほか、議会に対してはオバマ大統領が環太平洋経済連携協定(TPP)を締結させるために必要なファストトラック権限を与えるよう要請する。安倍首相は戦争への反省を表明するが、議会の意向にそのまま沿うことはない。安倍首相の計画によると、戦後の憲法の束縛から解き放たれた日本は米国と共に、世界安全および合法的な事業の中でより重要な役割を演じるようになる。安倍首相が中国に言及する可能性は低いが、その意味することは誰もが理解するだろう。