最近になって反対運動も収束してきており、またLCC向け第3ターミナルが4月8日に正式オープンしたこともあり、利用者が長蛇の列にならないようにこの安全検査措置も廃止の方向で検討されている。
日本はどうしてここまで大胆になれるのか。世の中に悪い人はいないとでも思っているのか。答えは否だ。実際、慎重な日本人は仕事に真剣だ。彼らは科学技術によって安全を担保しているのだ。2007年12月20日に「出入国管理及び難民認定法」が施行されているが、これは16歳以上の外国公民に対し、入国審査時に顔写真撮影と指紋採取の義務を求めるものである。拒否すれば入国が許可されない。このシステムは27の空港と126の港で使用されている。
乗客がスキャナーに2本の指を入れると、指紋を採取される。上部にはカメラが付いており、撮影が行われる。これらの情報と姓名を一致させてデータ保存し、同時に90万人を超えるブラックリストの外国人や指名手配犯と照らし合わす。一致すれば入国を拒否されるか、重点監視の対象とされてしまう。そのため日本を出国できた人は、すでに人様の迷惑をかけることのない、日本政府お墨付きの「良民」となるわけだ。
自国民に対しては、日本は「出入国審査顔識別システム」を採用している。このシステムはコンピュータを通じて、パスポートのチップに入っている顔写真データと出入国審査カウンターで撮影した写真を比較し、同一人物かどうか確認し、また様々な信用記録と照合させるものである。成田空港の場合、300台以上の監視機器と顔認識システムを設置しており、人物や車のナンバーなどを識別している。もし不良記録を持つ人物がいれば、その行動は即座に「ロックオン」される。同時に、空港内外には爆発物を探知する犬が巡回しており、危険物を持った疑わしい人物がいないかどうかチェックしている。
乗客が安全検査を受けているとき、日本の空港はとっくに乗客の様々な情報を得ており、だからこそ顧客に審査の手間をかけないでいられるのだ。これこそが、日本の空港が快適に感じられる理由なのである。ある欧米の反テロ対策の政府関係者が日本を視察した際、「日本の国際空港の安全措置は内部では厳しく、外部では緩い。安全を保障するとともに、乗客に不快な思いをさせない。技量が最も求められることだ」と述べている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月3日