日本企業の観光部門で働く鄭さんは、北京晨報の記者に対して、「昔は1泊1万円だったホテルが、現在は5万円に高騰しており、しかも空室がない」とため息を漏らした。
今年5月末、人民元の対円相場(中間値)が高騰し、初めて1元=20円の大台に乗った。急激な円安により、中国人の訪日ブームが生じている。「爆買」「爆旅行」が流行語になった。為替レートは他にも、日本の商業の有り様を変えた。
ウォシュレットブームが過ぎ去る
炊飯器、魔法瓶、ストッキングが依然好調
富士山麓のアウトレットモールで、サムソナイトの店舗に直行した盧さんは、手ぶらで店を後にした。連日のセールを受け、盧さんは帰国前に大型トランクを購入しようとした。しかし店員によると、開店から2時間で大型トランクが買い占められたという。観光客が殺到したのだ。
中国人客を乗せた観光バスが、免税店の間を行き来した。ある店員によると、ウォシュレットブームが終わったが、炊飯器、魔法瓶、ストッキングは依然として売れ行き好調だという。中国人はかつて高級腕時計などの高級品を好んで購入していたが、現在はスキンケアなどの日用品を多く購入している。これは消費水準が向上し、観念にも変化が生じたことを示している。
日本で売られている物が「安すぎる」ことが、この現象のもう一つの原因となっている。仕事の都合により上海と東京を頻繁に行き来する鄭さんは、「人民元を使えば、以前の2割引きで購入できる」と語った。
日本の2014年の旅行収支は、55年ぶりに黒字になった。観光庁の統計データによると、外国人観光客の昨年の日本における消費額は前年比43.1%増の2兆278億円に達し、過去最高を記録した。そのうち中国人客の消費額が27.5%を占めた。今年1−4月の訪日観光客数は、昨年全体の4割以上に達した。訪日中国人客数は、4月に延べ40万人の大台を突破した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月9日