「子どもたちには小さい頃から、平和と共存が自然に手に入ったものではなく、努力の果てに獲得され、さらに守り続けていかなければならないものだということを教えなければならない」(Joerg Wuttke氏)
作品中には、ドイツのメルケル首相が昨年、清華大学で講演した場面も出てくる。「歴史は目の前にあり、歴史との関係は誰も断ち切ることはできない。ドイツ人一人ひとりは自らの過去の作為と不作為を反省しなければならない。これはつらい過程である。しかし歴史を直視するドイツの態度は間違ってはいない。次の世代に同じ過ちを繰り返させないことができるからだ」
ドイツの教育法は、歴史教科書がナチス期についての十分な内容を含むことを規定し、ナチスの統治について徹底した解説を行うことを教師に求め、第三帝国の美化や大虐殺の否定などの言論には反対するよう指導している。
中国国際放送で働くドイツ人専門家の雷雨興(Miriam Nicholls)さんは、小さい時にフランスを訪れた際、地元の人が友好的でなかったことを覚えている。困惑した彼女に両親は、ドイツがかつてフランスを侵略するなどし、多くの国の人々に損害を与えたことを話した。「歴史の授業では自己批判的な内容が多かったが、今から考えると、こうした学習は価値があり、必要なものだったと思う。国家と民族は正しい歴史観を打ち立ててこそ、間違った道を歩まずにすむ」
Joerg Wuttke氏も同じ考えだ。「子どもたちには小さい頃から、平和と共存が自然に手に入ったものではなく、努力の果てに獲得され、さらに守り続けていかなければならないものだということを教えなければならない」