長期的な戦略的意図
南中国海問題に介入する日本が隠す長期戦略は、アジア版NATO(日米、日豪、日印、日豪印、日米豪、日越比)の構築だ。中国を第一列島線内に閉じ込め、中国の台頭を抑制する。日本は米国の後ろ盾により、アジアの覇者になる。安倍首相と親しい産経新聞は最近の社説で、「米国を中心とし、同じ危機感を有する日本、オーストラリア、ASEAN諸国は団結し、中国けん制の検討に即刻とりかかるべきだ」と論じた。
軍事問題に詳しい記者の岡田充氏は、南中国海問題の裏にある日米の意図について、「米国の高官の発言を見ると、米国が東中国海・南中国海で見せかけの緊張を煽り立てている目的は、東アジア諸国を対立させ、米国の東アジアにおける軍事的な覇権を維持することだ」と指摘した。岡田氏によると、元米国太平洋軍司令官のブレア氏は4月、日本で行った講演で、「中国が軍事的に尖閣諸島(釣魚島)を支配する可能性は非常に低い。この試みが失敗した場合、大きな政治的リスクがもたらされるからだ」と述べた。岡田氏は、「ブレア氏のこの観点は、米首脳の東アジア情勢に対する真の観点を示している。米国は、東アジアで武力衝突が生じる可能性はないと判断している」と述べた。
しかし安倍政権の博徒じみた心理を鑑みると、日本が意図的に問題をこしらえたり、一部の国をそそのかし問題を起こさせることで、米国が想定するコントロール可能な「見せかけの緊張」を「真の緊張」にエスカレートさせる可能性を否定できない。
元防衛審議官の柳澤協二氏は先ほど、安保関連法案の抗議集会で、「この法案によれば、海上自衛隊が南中国海で米国の軍艦を護衛する際に、具体的な行動を決める権限は主に艦長などの現場指揮官に握られる。つまり一人の自衛官が南中国海で撃った一発の弾丸が、日本全体を戦争に引きずり込む可能性がある」と警鐘を鳴らした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月16日