アジア太平洋の安全局面の構築を主導することは中国にもできないし、その意図もない。だが中国はその中で重要な役割を発揮することになる。中国の一連の国策からわかるのはまず、中国が経済的に求めているのは協力発展だということだ。「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の建設やアジアインフラ投資銀行(AIIB)の建設・運営はその代表的な例である。次に、中国は安全面においても協力と共同での安全を求めており、自らの安全だけを追求しているわけではない。中国が打ち出した「新アジア太平洋安全観」はこれを十分に示している。中国の総合的な国力がアジア太平洋地域において「鶏群の一鶴」とも言える突出したポジションを占めているのは事実としても、中国がアジア太平洋の安全局面を単独で主導することはあり得ない。
アジア太平洋国家の協力、とりわけ中国と米国の協力は、アジア太平洋の安全局面の構築において主導的な役割を果たすことになる。地域の安全を大国が単独で主導することはできないということはすでに人々の共通認識となっている。湾岸戦争からすでに20年余りが経つが、米国は中東の安全局面を構築できていない。アジア太平洋の安全局面は、同地域の国家の協力を通じて初めて構築されるもので、地域外の国家がその安全構築を主導することはできない。中国と米国はアジア太平洋地域において重要な影響力を持っており、アジア太平洋地域の国々の協力過程で中米両国の安全理念は、地域の安全局面の構築に主導的な役割を果たすこととなる。しかしこの局面の構築を主導することはできない。
未来の安全は協力を通じたものとなる。アジア太平洋の安全局面の構築における協力は時代の流れでもある。各国の利益の保護と発展の土台となるのは協力と安全である。アジア太平洋地域の国家による地域の安全局面の協力構築は、アジア太平洋の国家が安全を追求するための唯一の正しい道と言える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月17日