デザイナーの黄歴氏は、以下のような見方を示した。
「古着を買い、古着を着るのは、自分自身がその年代の人になることではなく、古着を着ることがよりトレンド性が高いためだ。これこそが、古着の神髄といえよう。1950年代に流行った服や60年代から大切に保管されてきた靴を身に着けると、自分が当時の主役になった気分になり、その時代の物語に登場する人間になったような気がする。多くの日本の若者にとって、懐古は精神性のひとつであり、服がその時代の物語を表現しているため、その服を手に入れた人間には、物語を引き継ぐという使命が科せられる」
中古ぜいたく品市場の発達によって、ぜいたく品鑑定士という職業も誕生した。
〇ゆっくりと歩き始めた中国「中古品市場」
林さんは、「中国でも、中古品を好む人がどんどん増えており、中古品市場がゆっくりとその一歩を踏み出した感じがする。ついこの前、中国の友人と、日本の中古品専門のショップを微信(WeChat)にオープンした。私たちが取り扱う商品は全て、オークションで入手したものと、日本最大の中古品ショップから仕入れたものだ。中古バッグやアクセサリのほとんどが、1980年代から1990年代のもので、もっと昔のアンティークものもある」と話した。