「日本経済新聞」にこのほど、もしも安保法案が今国会で成立し、自衛隊の新たな任務の実施が可能となれば、新型の空中給油機やイージス艦の調達が必要となるとの記事が掲載された。この報道によると、2016年の日本の防衛予算には無人偵察機「グローバルホーク」の調達費が計上されており、日本は、グローバルホークの運用のために陸海空による共同部隊を新設することとしている。4月に改定された日米防衛協力ガイドラインには、自衛隊と米軍の警戒監視範囲の拡大が盛り込まれており、両国が南中国海で任務を執行する可能性もある。
このニュースは大きな波紋を呼び、世界の多くの国の学者とメディアからも反応が上がっている。「日本は将来、世界の調停者となるよう努力すべきであり、再び東アジアと世界の軍事強国となって武力を行使する道を歩むべきではない」。米デューク大学の日本史研究者であるサイモン・パートナー氏は、現在の敏感な東アジア情勢の下、日本が軍事大国化することは、すでに脆弱な東アジアの均衡を破壊することにしかつながらないと指摘する。パートナー氏によると、平和憲法は当時、第二次大戦に失敗した日本政府の意図に反して米国が成立させたものだったが、侵略戦争の悲惨な教訓を得た日本人は平和憲法の精神を認めた。8月初めに6万人が街頭に繰り出して安保法案に抗議したのはその証となった。英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、日本の政治家の野田聖子氏の言葉を引き、日本が平和憲法を長期にわたって守ってきたことは「栄誉の勲章」とみなされるべきだとしている。
中国人民大学国際関係学院東アジア研究センターの黄大慧主任は3日、「環球時報」の取材に対し、日本の防衛省の軍費予算が拡大している根本的な原因は、安倍首相が見ている「軍事強国の夢」にあると指摘する。安倍首相は軍事的な台頭を実現し、日本の「普通の国」への歩みを加速しようとしている。安倍首相の呼びかける「積極的平和主義」は本質的に「積極的軍事主義」である。黄主任によると、安保法案は9月に成立する見込みで、安倍首相はその上で、安保法に保障を提供するために憲法改正を発議することとなる。来年は日本憲法公布70周年であり、安倍首相がこれをきっかけに憲法改正に踏み切る可能性は高い。憲法改正には国民投票が必要だが、半数の国民の同意を得て成立すれば、安倍首相は軍事大国の夢に向けて大きな一歩を進めることとなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年8月4日