右翼の妨害を受けてもあきらめず
このような日本の弁護士団は、中国人にとっては「友人」であるものの、日本国内では、難しい立場に立たされている。時には「左翼弁護士」のレッテルを張られ、右翼の攻撃にさらされることさえある。大森典子弁護士は取材に対して、「よく知っている人以外には、中国人の日本政府に対する訴訟を手伝っていることを、自分から話すことはない。言っても、理解してもらえないし、やめるよう説得されることもある。ある意味、『孤独』を感じることさえある」と肩を落とす。大森弁護士は、慰安婦問題について地元の人と意見を交わす機会を設けたり、写真展や映画の上映なども行っている。現在、多くの日本人が過去の戦争で日本がどんなことをしたのかを知らず、興味も示さない。「このような方法を通して、少なくともまず一般人に歴史の真相を知ってもらいたい」と大森さん。
中国人が信頼する日本の弁護士初期、中国の戦争被害者やその家族を日本に招き、出廷してもらう際、交通費や宿泊費、通訳費などの全てを日本の弁護士が負担していた。一方、今では、多くの中国人が自分でそれら費用を負担することができるようになっている。近年、来日する中国人が増加し、日本の弁護士に関与してもらう必要のある問題もある。そのような時、多くの中国人は、見返りを求めず、中国の戦争被害者を全力でサポートしてくれる日本の弁護士団に助けを求め、日本での法律関係の事務を託している。中国人にとって、これら日本の弁護士は信頼に値する。
その他、戦争の賠償問題に注目している中国の専門家も増加している。そのような専門家は、日本の弁護士が当事者と連絡を取ったり、証拠捜しの現地調査を行ったり、資料を収集して整理したりできるよう自発的にサポートしている。南弁護士は、「中国の方は、私達にとって力強い後ろ盾。訴訟の道のりは険しいものの、あきらめることを考えたことは一度もない。この20年経験や教訓を積み重ねてきた。必ず勝つことができる」と意欲に満ちる。
「人民網日本語版」2015年8月25日